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IFA業界事情

成功するIFAのセルフマネジメント

米田メソッド(第5回)
自らの能力不足を補完する外部ネットワークを構築する

画像:米田 隆 氏
早稲田大学 商学学術院
ビジネス・ファイナンス研究センター
上級研究員(研究院教授)
米田 隆 氏

1981年早稲田大学法学部卒業後1981年(株)日本興業銀行入行
1991年GLA設立、代表取締役就任、1999年PWM日本証券株式(旧LPL日本証券)会社代表取締役、2007年GLA代表復帰
公益社団法人日本証券アナリスト協会プライベートバンキング教育委員会委員長
2017年12月より常勤にて現職就任

1. 何があなたの能力を補完するのか

初回で記したように、顧客からは常に「あなたは優秀か」、「あなたは私を騙さないか」と問いかけられている。今回は優秀であることの基準について、考えてみたい。

私はよく研修で、「顧客から優秀であるかを言外に問われている状況の中でどのように対応すべきか」と参加者から質問を受ける。その際、何をもって優秀か、について次の基準を示し、自らの経験を共有している。

第一に、顧客の話を傾聴する能力が優れていること。傾聴能力こそ顧客の信頼獲得の方法であり、顧客の本心を聞く最善の方法だからだ。顧客が本当に望んでいることや、これまで隠していたことも含め打ち明けていただくことで、正しい課題の診断が可能となる。診断が正しければ、ソリューションは自ずと決まってくる。傾聴とは提案力の前提である。しかし、この聴くということが思いの外難しい。通常、内密な話は一対一で聞く必要があり、あなたを補佐してくれる陪席者はいない。また、自らの営業成果を短期で求めようという心があれば、己が聞きたいことだけを聞こうとするからだ。

第二の基準はメタ認知力だ。メタ認知力とは、あたかも自分と顧客の会話をビデオモニターで自分が見ることのできる能力と言い換えてもいい。顧客が言外で送る多くのサインにメタ認知力で的確に反応すれば、顧客はあなたのことを優秀だと評価することだろう。このメタ認知力を広義に定義すれば、顧客の求めに対して自分は何ができて何ができないか客観的に判断できる能力と言ってもいい。

そこで、第三の基準である外部専門家のネットワークが必要となる。ネットワークは、あなたの足りないところを補完する優秀なチームだからだ。

2. なぜ今、外部ネットワークが求められているのか

社会が急速かつ非連続に変化すれば、顧客も複雑な課題に速やかに回答を出す必要がある。企業でさえ、一組織だけでは自前主義のイノベーションが限界となり、今や異業種を巻き込んだオープンイノベーションが求められている。お金は色がなく、国境を簡単に越え、新しい事業機会に対し様々な形をとり、リスクマネーを提供する。

私が専門とするプライベート・バンキングの分野では、富裕層が未公開株式に投資をすることが多い。大きな純資産を持つ投資家として、未公開株式投資の持つ高いキャピタル・ロス・リスクと流動生リスクを同時に取り得るからだ。

こうした未公開株式投資では、投資対象の個々のデューディリジェンスに加え、分散投資をすることや、正しい投資形態の選択が重要なリスク管理手法となる。未公開株式の損失は、課税対象所得を計算する際、個人で投資した場合、単年度での有価証券のキャピタルゲインとしか相殺できず、相殺しきれない金額については次年度への繰り越しができない。一方、法人で投資をすれば、あらゆる収益と相殺可能であり、相殺しきれない損失については10年間、繰り延べ損失として将来の収益と相殺することが可能となる。
資産運用のアドバイザーとして顧客がこうした未公開株式投資をする際、必要となるプロフェッショナルを総合的にコーディネートする能力が求められる。

3. 外部ネットワークの選択基準と関係強化の方法

外部専門家ネットワーク構築にあたり、次の二つの選択基準を課している。

一つは、仕事のやり方において価値観の共有ができること。もう一つは、その分野で優秀であるという評価を得ていることだ。
私は一旦外部パートナーを決めると、相当なことがない限り、継続的に外部ネットワークのメンバーを変更することはない。チームでの仕事の効率性やリスク共有の観点から継続性が求められるからだ。
同じチームで類似の案件を進めれば、コミュニケーションコストは大きく下がり、仕事の効率性は劇的に高まる。一方、提案が常に成果に繋がるわけではないので、提案段階では関係者は投入時間をリスクとして暗黙のうちに共有している。提案の都度プロフェッショナル・フィーを請求し合えばそのことが障害となり、スムーズな提案作業は進まない。その上、十回の提案で一回成功するゲームの中では、メンバーを毎回変更すればリスクの回収確率がとても低くなり、関係者間でのリスク負担は難しくなる。

そこで、私は継続的に同じメンバーでネットワークを組み、提案段階でのフィーの相互免除をすることで、この問題に対処している。欧米ではこれをprofessional courtesyと呼んでいる。あなたが自らの専門分野でプロとして認められ、他分野のプロフェッショナルを尊重すれば、こうした専門家チームの運営も可能となる。

時代は激しく変化し複雑化を増す中で、外部プロフェッショナル・ネットワークがあなたの優秀さを担保してくれる。しかしそれには、あなた自身の能力の継続的向上と浮気をしない関係が求められている。

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