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IFA業界事情

成功するIFAのセルフマネジメント

米田メソッド(第9回)
“100歳リスク”時代をIFAとして幸せに生きる方法(2)

画像:米田 隆 氏
早稲田大学 商学学術院
ビジネス・ファイナンス研究センター
上級研究員(研究院教授)
米田 隆 氏

1981年早稲田大学法学部卒業後1981年(株)日本興業銀行入行
1991年GLA設立、代表取締役就任、1999年PWM日本証券株式(旧LPL日本証券)会社代表取締役、2007年GLA代表復帰
公益社団法人日本証券アナリスト協会プライベートバンキング教育委員会委員長
2017年12月より常勤にて現職就任

前回に引き続き、フリーエージェントとして働くことの3つの魅力
1. 顧客選択の自由
2. 労働時間の自由
3. 退職時期の自由
について、その制約条件のご説明から記述を続けていきたいと思います。

第1の魅力である「顧客選択の自由」についての制約条件としては、あなたが顧客にもたらす付加価値が高く、かつその価値の提供者として市場で希少性のあるポジションを築く必要があります。
それには、仕事を通じ、求めるノウハウ、人脈、実績を一貫した努力により築き、個人としてのブランドを顧客に認知してもらう必要があります。

第2の魅力である「労働時間の自由」という特権を行使するに当たっては、どんな制約を考慮すべきでしょうか。私は、本人の人生のステージに於けるワークライフバランスの要請を考慮すべきだと考えます。人間は残りの人生の意味を知って初めて自分が本当に何をやるべきなのか、また何をやりたいのか、自らの健康寿命や資産など制約条件を考慮しながら大切な周りの人々との関係性に十分配慮し、意思決定を行うからです。

第3の魅力、「退職時期の自由」における制約条件は、体力や認知力の問題です。
“100歳リスク”時代を自己尊厳を持って幸せに生き抜くには、以下の三つの基本行動が必要となります。第1に健康寿命の延伸。第2に生涯学習。そして、第3に仕事をもたらす豊かな人的ネットワークの維持強化です。特にIFAとして質の良い仕事を持続的に行うには、顧客開拓と提案の作成・実行の両面で他者の協力が不可欠となります。

『Life Shift』の著者リンダ・グラットンは、100歳時代に備え、これまでの有形資産中心の人生プランではなく、無形資産の強化に努める生き方を提唱しています。同氏は、無形資産をさらに生産、再生、変身と3つの資産に分けて詳述しており、IFAの活動の視点から私なりの解釈を以下の通り皆さんと共有します。

まず、私は生産資産を能力の源泉と読み替えています。『Life Shift』の中で、グラットンは証券アナリストが一人でA社からB社に移籍すると能力が著しく落ち、チームで移籍すると能力が落ちないという学術論文を引用した上、高度に複雑化した仕事を一人で完結させることがいまや困難であることを説得力ある形で指摘しています。職業上の人脈があなたの人的能力の付加価値を高め、同時にあなたの市場での希少性を高める差別化要因となっています。世の中が複雑性と変化のスピードを増す中、自前主義でのイノベーションは限界を迎えており、外部との提携が不可欠となっています。

第2の強化すべき無形資産は、再生資産です。その中核は、社会ネットワーク論で言う、いわゆる「Strong tie(強い絆)」です。IFAは起業家でもあります。解決すべき社会課題を自らの起業の理念に落とし込み、仕事を通じ自らの夢を実現しようとします。成功のための長くぶれない努力には、大きな個人的犠牲が伴うものです。そこにはやはり厳然とリスクとリターンの関係が存在しています。
そこで、こうした精神的に乗り切ることが困難な起業のプロセスを支えてくれるのが、友人や家族という心や身体に癒しを与え、明日新たに挑戦しようという力を与えてくれる再生資産と位置付けられている人脈です。

第3の無形資産が変身資産です。
長寿化と共に、これまでの教育、仕事、引退を一直線で進み、誰もが80歳前に死んでいく人生から、一旦休み、学び直し、55歳から異なる仕事で75歳、または80歳まで働くマルチステージでの人生へと移り変わりました。
これらを生き抜くには、変身資産が重要となります。
デジタル技術とグローバル化は私たちを取り囲む社会経済環境を非連続で高速に変化させていますが、こうした経営環境では一旦身につけた能力や知識が短期間で陳腐化するからです。この結果100年の人生を生き抜くにはその過程で大きな変化を経験し、多くの変身を遂げることが必要となります。こうした変身に求められる中核要素が変身資産で、グラットンはその資産をさらに次の3つに分け、意識的に強化することの重要性を説いています。

第一に、自分についての深い理解を持つこと
第二に、新しい体験について偏見を持たずに開かれた姿勢でいること
第三に、活力と多様性に富んだ人的ネットワーク、つまり弱い絆を持つこと

人脈という視点では、弱い絆の維持強化が大切です。具体的には過去にあなたと仕事をし、プロフェッショナルとしてのあなたの能力と仕事に対する姿勢の卓越性を熟知している人です。真剣な仕事を通じ構築した人間関係だからこそ、プロフェッショナルとしてのあなたの真の価値を知っている人なのです。しかし、友人や家族ではないので、頻繁に会うことはありません。それ故プロジェクトが終わり、5年、7年と会うことがなくても不思議ではありません。日常的にコンタクトのある強い絆の人脈でないため、この間の環境変化とともに再度生じたビジネスチャンスを生かす機会を逸することになります。そんなとき偶然に再会すれば、「いま何しているの」「今新しいプロジェクトを探していて」「手が空いているなら、一つお願いしたい案件があるのだけれど」と話は一気呵成に進むことになります。かつて真剣に仕事をして互いに信頼という弱い絆で結ばれているからです。弱い絆こそあなたのビジネス開拓の機会です。是非、長く疎遠になっている弱い絆にコンタクトしてみてください。きっと良い成果につながるはずです。

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